スタッフの大澤さんが、「為当の家」の解体写真を見ながら
「この柱、文字が逆さまですね」
この言葉を聞いたとき 「あ!これが一般の方の感覚なんだ」 ・・・と、新鮮な驚きを覚えました。
実はこれ、上下を間違えたのではなく、写真のように刻印が逆さまになるのが正解です。
それにはちゃんと理由があります。
木材は、乾燥させることで強度があがり狂いも少なくなります。建築に使う木材は、出来るだけ乾燥させたものを使います。
木は根元から水を吸い上げて、高いところの枝葉に水を送ります。水の経路である導管は、水が戻りにくい構造となっています。
製材して保管する時も、より水を抜きやすい状態にすべく上下を逆さにして乾燥を促します。
この保管・乾燥の時、どのような木材なのかが分かるように、木材が逆さの状態で刻印します。
木材は自生した時と同じ状態で使うのが原則ですので、文字が逆さまになって家に据え付けられることになるのです。
ですから、逆さまの刻印を見ても、間違ってるなどと思わないでくださいね。
2012.12.25 ディクタ建築事務所 原田久