こちらの玄関には視線を向けてほしい部分があります。
何といっても正面の開口部から見える植栽です。
「ただいま」や「こんにちは」と 玄関から扉を開けて入ってきたときに、
ガラス越しに木々が出迎えてくれると気持ちの良いものです。
そこに自然と目が向くよう、なるべく不要なものをなくします。
まず、ホール左手の垂れ壁のある引戸の部分。
通常でしたら扉の周囲に建具枠がありますが、上部の木の枠とレールのみとし 縦の枠をなくしています。
足元の巾木がカットしてある部分に建具がぶつかります。
次に照明器具。
こちらはなくして夜 真っ暗では困りますので、器具の見えない間接照明で壁を照らして明るさを
確保しています。
玄関収納も 使いやすい範囲でできるだけ高さを抑えて奥まで連続させることで、玄関から奥へ
ラインがまっすぐのびています。
収納扉の取っ手もなくして、溝に手をかけることで開閉します。
小さなことの積み重ねで「なんとなくすっきりした魅せ場のある空間」が出来上がります。
2019.05.16 栗山祐子