施主
何かにつけ「人と一緒はいや」という性分で、家も「自分たちのつくりたいものを」という思いがありました。ハウスメーカーの展示場も見には行ったのですが「自分たちにはちょっと違うな」と。かといって、工務店に知り合いもいないし……。そもそも、「家を建てよう」とはなったものの、土地探し、お金の算段など、何からすればいいかわからない。それで、ともかく一度ディクタに相談に行ってみようと思いました。その少し前に、たまたまブログで原田さんと知り合いになっていたんです。好みが自分に近いなと思っていたし、プロフィールを見たら出身地が同じで、親近感を持っていました。
ディクタとの最初の相談では、予算が限られていたこともあり、「(設計事務所を入れずに)工務店に直接依頼するほうがいい家ができるかもしれない」と、工務店を紹介してくれました。その工務店の担当者の方が、特に資金繰りについて、親身に、的確にアドバイスをくれました。家づくりは大きなお金が動くので、これはとても有難かったです。「ディクタに依頼しても予算内に収まりそう」という見通しが立ち、ほどなく土地も見つかりました。ディクタに設計を、その工務店に施工を依頼する、という前提でもう一度、相談に乗ってもらい、「ここなら間違いない」と夫婦で確信しました。
施主
予算については、ローンを組んだ時点で上限が決まり、あとはどうやってその金額に収めるかを考えればよかったので、不安はありませんでした。
デザインについても、不安より楽しみのほうが大きかったです。最初に渡された『ヒアリングシート』に、自分たちが好きなキーワードを書きました。それがディクタというフィルターを通って、どんな提案が上がってくるのか、とても楽しみでした。「いい意味で期待を裏切ってくれるんじゃないか」と思っていて、実際にそうなりました。
原田
キーワードの中に「アメリカ」っていうのがあって、「Diktaは和風がベースの事務所なのに本当にウチで良いの?!」と戸惑いました。スタッフの栗山と一緒に「アメリカってどんなんやろ?」と慌てて資料を調べたり。
施主
アメリカのレンガハウスのようなテイストが好きで。キーワードはほかにもたくさん書いています。それで、提案されたものを見て「ちょっと違う」と思えば、それを話し合って、詰めて……。とはいっても、「自分のイメージと全然違う」ということはなかったですね。ただ、打ち合わせは大変だったな、という思い出があります。自分たちが忙しい時期とたまたま重なってしまって。
原田
はっきりしたピンポイントの好みをお持ちですよね。興味の幅は広くて、「じゃあこの方向でいいかな」と思って提案すると、ちょっとしたずれで「ダメ」と。そういうことが何度かありました(笑)。
施主
そうそう(笑)。自分の好きな単語がいろいろあるんですよ。それを整理せずにぽんと伝えて、それでディクタから出てきたものを見て、審査するというわけじゃないけど、「これはいけるな」、「これはちょっと違うな」とやりとりを重ねていく。そういうのが面白かったです。そうして一つのかたちにまとまったのがこの家です。
施主
嬉しかったです、とても。でも「これで終わっちゃうのか」というさみしさもありました。「家づくり」という過程そのものに興味があって、楽しんでいたので。
原田
庭と家具は後からご自分でつくると伺っていたので、その完成をとても楽しみにしていました。
施主
以前は、週末になると東京に出かけたりしていたんですが、今はほとんど毎週、庭づくりをしています。柵を立てたり、子どもにも手伝わせて芝生を敷いたり、木を植えたり……。冬になるとやることがなくなって、さみしいです(笑)。
施主
満足しています。細かい部分では、洗面所の周りをクロス張りにしちゃったんですが、水跳ねが気になるので、いずれタイルか何かにしようかな、と……。あと、気になるということではないんですが、壁の色などで、「この色でよかったのかな」とふと思うことがありますね。いったん決めたら、なかなか変えられないので。
玄関を入って正面に見えるグリーンの壁は、この家の象徴だと思っています。原田さんと一緒に塗ったんですよね、汗だくになって。
原田
あれ楽しかったですね。夏で、エアコンもまだついてなくて、暑かったけど。お子さんに「(ペイントを)こぼしちゃだめだよ」って何度も言ってたのに、僕がこぼしちゃって(笑)。
施主
そうでしたね(笑)。色に飽きたら、また自分で塗ろうかなと思っています。
この家には、とにかく満足しちゃってますね。満足していなかったら、いろいろ不満もあると思うんですけど、ないんです。
原田
よかったです。庭が完成したらまた見せてください。とても楽しみにしています。
施主
ええ、ぜひ、いらしてください。まだまだ手を入れていきますので。
原田
今日は、改めてお話を伺えて、嬉しかったです。どうもありがとうございました。