住まいづくりで、最も重要なのは敷地の読みかたと言ってもいいです。
敷地にはそれぞれに個性があります。
接道ひとつとっても、長さや広さ、勾配はまちまちですし、交通量もさまざまです。
お隣さんの窓の位置や、高低差、敷地に対しての陽の入り方やまわり方、風の抜け方、夜の街灯の様子などなど。
その敷地単体のみでなく、周辺を含めて小高い丘か、平野部かといったことや、音やにおい、目に入る遠くの景色も大事な情報です。
敷地状況に逆らわない排水計画や、アプローチ計画、建物配置で、暮らしやすさも住み心地の良さも大きく変わってきます。
南だからと庭に続くリビングに大きな開口を設けたとしても、通行人の視線が気になりカーテンを閉めっぱなし、
なんてことにならないように。
時間や季節によって変わる表情をどれだけ読み取れるか。
そのうえに、暮らす人のご要望、時間的な変化を載せて計画を進めます。
2021.06.25 栗山祐子