シャープな印象の軒ゼロ住宅。
今一度、メリットとデメリットを考えてみます。
何よりのメリットは、軒が無いぶん 居住スペースを広く計画できることです。狭小地の計画に向いています。
軒が陽の光を遮らないので、明るい室内を確保しやすく、コストメリットもあります。
一方、デメリットとしては雨漏りリスクが高まることです。屋根と壁面の取合部分が雨水の侵入しやすい箇所となります。
軒がある場合と比べ、風雨や紫外線などが壁面にダイレクトに広く当たりますので外壁の劣化の懸念もあります。
ゆったりした敷地に深い軒の家の計画が出来れば建物にとって良いのですが、限られた敷地では難しいこともあります。
また、デザイン優先で軒ゼロのカタチをご希望される場合もあります。
軒ゼロ形状を採用する場合には、屋根と壁面との取り合い部分を通気と雨仕舞とに配慮した納まりとし、
劣化の懸念される外壁には耐候性に優れるガルバリウムを用いる等の配慮が必要です。
ご要望と条件と安全性と。
永く快適に暮らしていただきたいので、様々な視点からバランスのとれた設計としています。
2021.01.15 栗山祐子