住まいの第一印象として大切にしたい外観。
こちらのお住まいにはデザイン住宅らしさがいくつか詰まっています。
まずは、用いる素材です。
素材は素材らしさが生きるよう、ガルバリウムと塗壁で素直に表現しています。
ディクタ建築事務所では、「タイル調」や「木目調」といった何かに似せた仕上げのものはできるだけ用いず、素直な素材の在り方を好みます。
横葺のガルバリウムは、最上部、最下部とも他の部分と幅を揃えて同じリズムとしています。
横長窓の高さもガルバリウムのリズムに合わせて決めています。
文字にするとそれだけですが、実際に施工していただくにあたっては現場でも様々調整しています。
玄関前の庇、庭の庇の高さも開口部に合わせて高さを決めて、垂れ壁をなくしています。
庇の厚みは軽く見えるように程良く薄く、右手の勾配屋根はやや軽く感じられるよう破風の幅を決めています。
玄関上部の屋根は、外壁がくるりと回っているように見せたいので外壁木口幅と破風の幅、素材を揃えています。
出来るだけラインを減らすこと、要素を絞ること。
小さなことの積み重ねで、すっきりしたデザインの外観が完成します。
2021.01.08 栗山祐子