「御津日暮の家」は無事に引渡しの日を迎えました。
一本の樹を植えるだけで風情ある玄関に。
私の設計ではナンテンを予定してましたが、伊藤庭園さんから「そりゃー紅葉の方が良いに」「斜めに植えれば良いだけだで」との提案を受け入れることに。素晴らしいアプローチに仕上げることができました。
引き渡しに先駆けて、
電気、水道、ガス、設備の各業者さんから取り扱い説明を行い
工事担当した萩森建設さんから鍵、保証書、竣工書類一式をお渡ししました。
竣工おめでとうございます。
御津日暮のMさんと初めてお会いしたのは一昨年の5月のこと。
Mさんは、これまで色々な建物を見てきて幅広い範囲で好みのデザインを持っておられました。
「あれも好き、これも好き」と纏まりのない状態でしたので、好きなものすべてについて、それのどこに魅力を感じるのかをヒアリング。バラバラに感じた好みも、理由を聞いてみると明確に嗜好の方向性があることが分かり、その線でデザインをまとめることにいたしました。
デザインの中心に据えたものが「瓦屋根」と「白の左官壁」による和モダンの構成。しかもMさんは「“若気の至り” にならない落ち着いたデザイン」を希望されてます。
これは、私の師匠・出江寛先生の得意とするデザインです。私は、このデザインが好きで出江事務所に入ったものですから設計していてとても楽しく、思い入れのある建物となりました。
素晴らしい家づくりに携わらせていただき本当にありがとうございました。
2020.11.09 原田久