3.75㎡(2.26帖)のリビングと聞くと驚かれる方が多いかと思います。
家具の置かれている部分は1.5m×2.5mで3.75㎡(2.26帖)。
数字で判断しますと、リビングとしては狭いように思われるのではないでしょうか。
こちらのリビングは、通路部分を含めても2.5m×2.5mで6.25㎡(3.78帖)。
中庭、畳のダイニング、障子で仕切られた寝室と繋がり、視線が3方向に抜けるため全く狭さは感じられません。
むしろ、家具のサイズ感を含めて落ち着きある丁度よい広さに感じられます。
広いリビングをご希望される方が多いですので、実際にゆったりと床面積を確保するのもひとつの方法ですが、
視線の抜けを意識して 庭など外部との繋がり、間仕切りや隣接するスペースとの関係性を吟味しますと得られる広がり感はより豊かなものになります。
ソファに至るまでの移動に必要な通路部分は、座れば視覚のゆとりになりますし、行き止まり感をなくす中庭は実際には行き来できなくても
視覚からの情報で広さがあるものとして認識します。窓など開口部の計画は視線の抜けに関して重要な部分で、そこから見える景色によっても感じる広さ、心地良さが変化します。
大きな開口部を設けても、隣地の塀や壁が迫っていたのでは開放感は得られませんし、心地良さからは遠のいてしまいます。
コンパクトなリビングでは華奢なデザインで背の低い家具を置くのも広く感じられるポイントの一つ。
実際の広さと感じらる広さとは異なりますので、図面上の数字は参考程度で空間をイメージしていただけたらと思います。
2020.07.30 栗山祐子