30年前の3月22日は、まだ二十歳のピチピチだった私が、大阪の出江先生へ弟子入りした日です。
希望と不安で胸がいっぱいになりながら、この表札を見上げたことを今もはっきりと覚えています。
さて、出江事務所に入った私は、
図面の書き方が悪いとどつかれ、
報告の仕方が悪いとどつかれ、
現場の監理が悪いとどつかれ、
建築に対する姿勢が悪いとどつかれ、
何も知らず何も出来なかった私に、出江先生は実に厳しく建築を叩き込んでくれました。
抑揚が激しく感情をコントロールしない方ですから、本当に激しく怒鳴られ、激しくどつかれるのです。
恐かったし、痛かったのです。。マジで。
そのように叩き込まれた出江のエッセンスは、30年を過ぎた今でも無意識のうちに出たりします。
後になってそのことに気付いた時には「先生の教えが身に付いたのかな・・」とひとりで嬉しく思っていることがあります。
今になって思えば、出江先生にどつかれ叱り倒された日々が、
私にとってかけがえのない本当に贅沢な時間であったと思うのです。
毎年3月22日が来る度に、若かりし日のことを思い出しながら気持ちを引き締めているのです。
2020.03.22 原田久