「王ヶ崎の家」の配筋チェック(1回目)を行いました。
型枠立て込み前なら是正が容易ですので、このタイミングでの配筋チェックは現場サイドからは喜ばれます。
基礎形状が複雑なので、地中梁やスラブの種類が多くて確認作業が大変です。
鉄筋の種類、主筋、帯筋、ピッチ、本数、定着、重ね長さ、端部形状、開口補強筋、かぶり厚さなどをひとつひとつ確認します。
鉄筋の種類は鋼材メーカーのマークによって確認します。メーカー毎に表記が異なりますが、写真は山口鋼材のSD295Aの刻印です。
部位ごとの応力に応じた配筋を構造計算から設計しています。上端筋が1本であったり、下端筋が3本であったりとまちまちです。設計図通りに施工されているか全ての部位について確認を行います。
スラブ(床版)の配筋はは、下からの土圧に耐えられるように計算します。(地中梁で囲まれた範囲の面積で決まります。)
X方向とY方向のピッチが異なる時は、その方向に注意が必要です。
鉄筋は引張り力に効くように配筋します。端部鉄筋に引張り力が生じても引き抜かれないようにある程度の長さが必要です。これを定着長さと言い、鉄筋の径に応じた定着長さが定められています。
また、鉄筋はどこかで継ぐ必要があるのですが、小径の場合は鉄筋を重ねて継ぎ足す方法を用います。これを重ね継手と言い、鉄筋の径に応じた重ね長さが定められています。
人通口(床下の点検用開口)部分の補強筋(斜め補強、上下の主筋補強、帯筋の補強)を確認。
鉄筋と型枠、鉄筋と捨てコンクリートまでの距離をかぶり厚さと言います。かぶり厚さの寸法も部位により定められています。
コンクリート中性化による鉄筋への影響を考慮して基準が定められています。(ひび割れ→水の侵入→鉄筋の錆→鉄筋膨張→コンクリ破壊)
不適切な部分は是正するように指示します。
是正報告、型枠立て込み、ホールダウン金物、アンカーボルト設置が終わった状態で再度配筋検査を行います。
2020.01.13 原田久