「車から建物に入るまでに雨に濡れたくない」というご要望は結構多いものです。
車からの動線を一体に考えることで暮らしやすさがグンとアップします。
木造での持ち出しはバルコニー程度でしたらともかく、部屋とするとなると構造的に不安定。
ならばとこちらはコンクリートで持ち出して軒下ガレージとしています。
駐車スペースの高さは2.2m程度。
一般的なカーポートの柱の高さは1.8mから2.5m、背の高い車のための3mもあります。
施工の際には地面の勾配に合わせて屋根がほぼ水平になるように柱を切って施工するのでそれより低くなります。
なのでこちらは、ほぼ一般的なカーポートの屋根の低い側の高さです。
周囲が解放されていますので低い天井高でも、圧迫感というよりは守られ感が生まれます。
構造躯体のコンクリートをそのまま仕上げとして見せることで、ガレージ天井部分の仕上げを無くし
高さを最大限確保しています。
玄関扉は外壁と素材を揃え、枠は天井までぶつけることで扉を目立たせず余計なラインを無くすべく気を配りながらもラフさを残し、
コンクリートとガルバリウムとレッドシダー、それぞれの素材感が楽しめるような場となっています。
ちょっとうらやましい場所です。
2019.10.10 栗山祐子