今から30年前の4月下旬。そろそろ就職活動を・・・という時期に学科事務室で友人と過ごしていた時のこと。
新刊の本棚から「この人の作品集出たんだ!」「面白い建築家だよ」と勧められ、その場で読んでみることに。
今でこそ和風が好まれる傾向にありますが、時はバブル絶頂期。
日本的なものが見向きもされない時代に、この日本的なデザインは新鮮でした。
特に私が好きだったのは「名島邸」や「高槻の家」のような白の漆喰壁と切妻屋根の住宅。
建築の理論も分かりやすくて面白い。写真でお顔を拝見すると穏やかでやさしそう。
出江先生に師事し、自分もこのような設計が出来る様になりたい。と思うようになります。
5月末。
そろそろ就職のアクションをという時期になり、出江事務所へ電話を入れ、先生の面接を受ける運びに。
6月。面接。
何故ここまで叱られなければならないのか・・・と思うほど、面接で叱られまくり。。
叱られているうちに段々と先生の機嫌が良くなり、何故か「まぁ、試しに夏休み1ヵ月間OPEN DESKに(当然ロハで..)来なさい」
と首の皮一枚つなげることに成功。
あれから30年経ちますが、あこがれの出江先生にお会いした面接の日のことは、
まるで昨日のことのように鮮明に思い出すことが出来ます。
2019.06.22 原田久