間接照明で天井や壁を照らすと、奥行感や広がり感が増し、より豊かな空間になります。
こちらは「中世古の家」の玄関です。コーニス照明で正面の壁を照らしています。
天井と壁との隙間から光がじんわり伸び、あかりが上から降りてきています。
この障子の外には隣地建物が迫っていて、50㎝ほどしか余白がありません。
大人が普通に通り抜けるにはちょっと難しく、斜めになって歩く感じです。
仮に窓を開けたとしても、通風は得られますが気持ちの良い採光や解放感は期待できず、
視線の通る透明ガラスの窓を設けても閉塞的な印象になりがちな場所です。
そこで、屋外の気配を感じつつ視線を抜かないように障子を採用し、間接照明で
明るさをプラスして広がり感を得ています。
間接照明のみで十分に明るさが確保できますので、天井面のダウンライトさえも不要となります。
天井に視覚的なノイズがないことで、よりすっきりした印象になります。
間接照明を上手く取り入れることで、毎日がちょっとだけ豊かになるように感じています。
2018.12.13 栗山祐子