住まいの外壁仕上げ材には様々なものがあります。
外壁材をひとつの種類・色でさらりとまとめますと、異素材同士の取り合いが生じないため作業性も良く、コスト面でも優れます。
異素材を組み合わせると、材と材との切り替え部分と共に面白みが生まれます。
外壁面など凹凸がないところで不用意に材料を変えますと、店舗などならまだしもお住まいの場合、
気を遣ったけれど何となくしっくりこない「厚化粧感」みたいなものが生じるように感じます。
異なる材を用いる場合には、平面形状に凹凸をつけたり、庇や雨戸、出窓といった機能を持った見切りで境界を設けます。
暗めの色より明るめの色のほうに目が向きますので、印象付けたい部分は明るめ、目立たせない部分は暗めといった色の
使い分けも心がけます。
写真は南玄関のお住まいで、機能面で必要な玄関庇とリビング庇とを一体にして大きな庇としています。
庇の上下で仕上げ材を分けたいので庇を伸ばし、リビングの日当たりは大切にしながらも訪れる人の視線は玄関側に
導きたいので玄関両サイドの壁を白色としています。
白い壁は色のついた壁と比べるとどうしても汚れやすいので、水下側には極力使用せず、できるだけ庇の下に設けます。
平面計画に戻って、白い壁の部分の大きさや室内側の使われ方を再確認し、バランスを整えていきます。
お住まいの外観は、日差しや雨を遮る庇や視線を遮るための格子といった機能から必要なものを揃えるのは勿論のこと、
素材と色とで印象が大きく変わりますので、バランス調整しながらまとめてあげています。
2018.08.09 栗山祐子