「高師本郷の家」解体工事が完了。
ボーリング標準貫入試験とスウェーデン式サウンディング試験を併用しての地質と強度の確認を行います。
スウェーデン式のメリットは費用が安いこと。一つの敷地で5ヶ所ほど調査することができます。
デメリットはサンプリングが取れないので信頼性に劣ることと、硬い地盤や障害物にあたるとそれ以深の調査が出来ないことです。
硬い地層が数十センチ程度しか続かないとその層を支持層とみなすわけにはいかないのですが、
スウェーデン式では支持層の厚みが調査できないことが割りとありまして、
支持層に適さない厚みであるにかかわらずそこを支持基盤と判断するおそれがあります。
ボーリング調査は、頑固な地盤や障害物であってもそこを突き抜けて調査しますので、支持層の厚みが分からないということはありません。
また、試験結果が同じ数値であっても、地質が砂質であるのか、粘土であるのか、礫であるのかによって地盤強度はまったくことなります。
調査地点の地質はスウェーデン式では調査できないのですが、ボーリングでは標本を採取するために精度の高い地盤強度の測定が可能です。
地盤は一様に分布しているものではなく、時に斜めに分布していますので、ボーリング1ヶ所の調査では不安が残るところです。
ボーリングはスウェーデン式に比べて高価であるため多くの地点での調査はコスト的な事情で躊躇してしまいます。
そこで、信頼性の高いボーリングで地質と支持層の深さを確認し、
安価なスウェーデン式を複数地点で調査することで地質の傾向(流れ)を確認しています。
2017.07.03 原田久