「中世古の家/豊橋」の玄関には腰掛があります。
楽な姿勢で靴の脱ぎ履きを との考えと、一部飾り棚のように花など設えていただけるように
との考えからの腰掛兼床の間のようなイメージで始まったこちらの場所。
計画段階では床柱がありました。
もともとお住まいだった床の間にあった2.2mほどの長さの床柱を移設して、新しいお住まいに取り入れる計画でしたが、
長押や床框、垂れ壁との取り合い部分をうまく分離するのは難しく、きれいな形で利用できそうな長さは1.7mほどに。
床柱を基準として垂れ壁を とも考えましたが、隣り合う他のどの部分とも揃わないのでなんだかチグハグ感が。
そんな時、クライアント様からの一言。
「背当てとかどうですか?」
なるほど、そうです、それがベスト。
玄関スペースのすっきり感も損なわれません。むしろよりすっきりします。
監督さん含め、満場一致で即決定。
この背当てにはこれまでの思い出と共に工事中の打ち合わせの記憶も刻まれております。
2017.03.09 栗山祐子