中世古の家は工事中盤。外壁ガルバ工事が裏側から始まりました。
板金のMさんに「他の物件で難しい仕事やってるみたいですね」と尋ねたところ「ここも難しいです」と...
「Mさんなら納めてくれる」..と、難易度の高い設計としていますので、やぶ蛇な会話となってしまいました。
ガルバを張り始めた足元には井戸を掘っておりまして、砂抜きの為にポンプを動かしています。
現場をあがるときに使わせてもらってますが、仮設水道の水より手が清められる感じがしてありがたい気がします。
玄関アプローチ部分も着々と進んでます。
防火指定のある地域ですので普通なら玄関扉は鉄扉とするのが原則なのですが、
防火壁を施して延焼ラインから外すことで木製の扉を可能としています。
このアプローチ部には収納用の扉もあるのですが、そちらは延焼ラインの掛かる部分になりますので
外壁用のセメント板を加工して扉として使います。
内部は断熱材と気密シート工事が終わり、下地PB工事が進んでいますが、
ここでは防火の関係からいつもより厚いボードを張っています。
天井を曲面にしているところがありまして、普通の厚さでしたら曲げながら直に張れるのですが、
この厚さのボードになると予め癖を付けておかないと曲げられないそうです。
空いてるスペースを見つけてボードに癖を付けています。
準防火地域の木造三階建ということで、壁の中に火が回らない施工(ファイアーストップ)が求められます。
階段の踏み板を支える方法として壁の中に飲み込ませることが多いのですが、
ファイアーストップが途切れてしまいますので、今回はその方法が使えません。
壁をPBで仕上げた後、踏み板を支える部材(ササラ桁)を壁に沿わせて階段を取り付けます。
今は敷地の東側が駐車場ですので、階段の窓から採光が得られますが、高層の建物が可能な地域ですので、
いつまでこの窓からの採光を当てに出来るかわかりません。
ということで、少しでも階段スペースを明るくということで、階段立ち上がりをアクリル板にすることで
上階のあかりを下に零れる設計にしています。
何でもよければ簡単なのですが、見上げたときのシルエットも美しくしたいと私がワガママを言っておりまして
このことが階段施工の難易度をあげてしまっております。
棟梁のKさん、監督さん、設計が知恵を出しながら協議。なんとか美しく納めていただけそうです。
2017.01.09 原田久