「中世古の家/豊橋」は準防火地域の木造3階建ての建物です。
準耐火建築物では階段が燃えぬけてしまっては困るという観点から、木の階段では踏板裏に
プラスターボードを張るか、踏板厚みを60ミリ以上とする必要があります。
写真はシースルー階段で踏板の厚みを40ミリとしてシャープな印象にまとめています。
階段を支えるササラも含めて鉄骨階段とし、鉄骨の踏板の上に化粧材として木を乗せることで
燃えぬけない階段になっています。
こうすると、踏み板の厚みを40ミリ以下とし更に軽い印象にもできます。
写真のようなプランで、ササラがデザインアクセントになるケースでは鉄骨階段が効いてきますが、
壁内にササラが隠れてしまう場合には木造階段でまとめたくなります。
60ミリという厚みの踏板階段はディクタでは始めてです。
どんな印象になるかとアレコレ探してみましたら、結構ありました。
竹原義二さんの作品では60ミリどころか、もっと厚いものもあり重厚感や素材感が強調されているものも
見られました。
重みを出すのか軽くまとめるのか、試行錯誤は続きます。
2016.04.21 栗山 祐子