建築基準法上の床面積は算定のルールが細かく決められています。
吹抜、ポーチ、小屋裏収納、ロフト、ガレージなどなど、基準法上の面積にカウントしなくていいものがあります。
土地価格の高い都会の場合は、基準法上の床面積は計画上の重要な要素になるのですが、 私たちが拠点としている東三河の地に於いては、法律上の床面積はそれほど重要な問題とはなりません。
コスト計画でおさえておきたいのは、実質的な工事面積である「施工床面積」です。
基準法上は面積に参入されなくても、 なんらかの工事があれば工事費が必要となります。たとえば、同じ基準法上の面積が40坪の住宅があったとして、吹抜がある場合と吹抜がない場合では 建物のボリュームが異なるわけですから当然工事費も変わってまいります。 小屋裏収納やロフト、バルコニーについても同様のことが言えます。
これら法律上床面積に参入しない面積を評価することで、 コスト算出の目安にしようというのが「施工床面積」の概念となります。
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この「施工床面積」の算定には定まったルールがありません。各社が独自の基準で算定を行っておりますが、Diktaの工事費算出のための施工床面積の考え方を紹介します。
ロフトはロフトの設置する部屋との関係から「0.5」「2/3」「1.0」のいずれかの掛率を選択。 写真のケースではロフト面積の「2/3」を施工床面積として計算します。
吹抜は、床材、梁、下階の天井工事が必要ないことを勘案。 吹抜面積の「2/3」を施工床面積として計算。
小規模な中庭は、周囲が壁で取り囲まれていれば、基礎と屋根のない部屋のようなもの。 4方が囲まれていれば「0.5」、3方が囲まれていれば「1/3」を施工面積に。
屋根付きのインナーバルコニーは、サッシの位置が表側か室内側かの違いだけで ほとんど室内と変わらないので、インナー部分の床面積のすべてを施工床面積として算定。
玄関ポーチも屋根と基礎があれば、その部分の基礎部分の面積に「2/3」か「1.0」の係数を掛けて算定。 写真のように開放性が高ければ「2/3」を施工床面積に。
3方が囲まれていて、玄関サッシの位置が表側に付いても工事費が変わらないようなら ポーチ部分のすべてを施工床面積として計上。
私たちのような設計事務所とハウスメーカーや工務店と比較するときは、 本体価格に設計料を上乗せした金額で比較する必要があります。
2014年現在、Diktaの目安として、この施工床面積あたりの [本体価格+設計料] は税別60万円/坪からとなります。 (この他に、地盤改良、外構、給排水引き込み、登記、ローン手数料、消費税などの費用が必要です。)