好きな建築家さんの作品を見ていて思う事が。
清家清さんや伊礼さん、ともに居心地の良さそうな、落ち着いた住宅を手がけていらっしゃいますが、 その天井高さは一般的なものより低めです。
清家さんは時代背景もあり、少し前だからと言ってしまえばそれまでなのですが、 現役の伊礼さんの設計する住宅の天井高さは2217.5が標準なのだそうです。
天井高さを低くすると窮屈な感じになるのでは、と考えられがちですが、開口部を適切に 設けることで、重心の低い落ち着きのある空間に仕上がっているものを多く目にします。
リビングの壁面収納やキッチンの背面収納など、天井までの収納を計画する際に、 上部はどうしても使いづらくなるので、使用頻度の低いものをと考えますが、 実際に扉に手が届く範囲は2000程度までで、それより上部の空間を使い勝手良く利用するのは 難しいと考えられます。
そう考えると、使いにくい収納が増えるのはあまり好ましいことではありませんから、 天井高さが低めなのは、無駄がなくて良いようにも見えてきます。
平均身長の関係もあり天井高さが2400~2500が主流のなかで、それを下回る提案をするのは なかなか勇気が要りますが、部屋によっては思い切って低くすると、使いやすくて落ち着いた 空間が実現できそうです。