先日の打合せで照明の話になりましたので、照明の設計について私の考え方を整理してみます。
照明はデザイン上の重要な要素です。「見せる」のか「見せたくない」のか、設計の方針を定めます。 今回は「見せたくない」時の代表・ダウンライトについてお話します。
ダウンライト(DL)を採用するその意図は、器具を目立たせたくないということです。 照度を確保しながら、視覚的ノイズを抑えることが設計のポイントとなります。
[竣工事例1:豊橋市・住吉の家 LDK] 直線上に等間隔に配置した事例です。
[竣工事例2:豊川市・御津広石の家 リビング] 部屋全体にリズムよく散りばめた事例です。
[竣工事例3:名古屋市・いろはの家 玄関] 間接照明のみで、天井面に照明器具を設けなかった事例です。
[竣工事例4:名古屋市・いろはの家 リビング] 天井面に照明器具を設けなかった事例です。 家具からの間接照明と壁からのスポットで照度をまかない、ペンダントがなくても成立する照明計画です。
[竣工事例5:豊川市・古宿の家 リビング] DLの間隔を狭めて、一つのグループとしてレイアウトした事例です。
[竣工事例6:新城市・ミネ美容室 店舗] 4個のDLを一つのグループとしてレイアウトした事例です。 作業スペースと他では灯りの質を使い分けています(昼光色と蛍光色)
[竣工事例7:名古屋市・いろはの家 リビング] 同じ空間でも用途の異なるスペースなら、それぞれのリズムで配置しても違和感がないという事例です。
[竣工事例8:名古屋市・いろはの家 廊下] DLをあえて寄せてみた事例。玄関ホールとの空間のつながりを考慮したレイアウト。 センターに据えることで返ってずれて見えることがあります。中心設定の難しい時はセンターから外すと違和感がなくなります。
[竣工事例9:豊川市・御津広石の家 寝室] 天井面に対して均等ではなく、窓に対して均等にレイアウトした事例。 DLが壁面に接近した場合は、天井面だけでなく壁面へのシルエットを検討する必要があります。
現場が始まると↑みたいな感じで 梁の寸法、位置を確認しながら美しく見える配置を考えて現場へ伝えます。
例えば、天井を高くしようと、大梁ギリギリまで天井を確保した場合、 梁下に照明器具を設けることは出来ません。 大きな梁は部屋の真ん中にあることが多く、照明器具をずらしても良いものかどうかの判断は、 家具のレイアウトを含めて考えます。
ダウンライトは、シンプルであるが故に検討することが多く、 また工夫の余地のある照明なのです。