プランニングをしながら気をつけることはたくさんあります。 その中でも快適な空間を作り出すのに必要だと感じていることのひとつが、抜けとたまりのバランスです。
動線で考えるなら、通り抜けられるのが「抜け」で、行き止まりが「たまり」。 こちらは分かりやすいですね、暮らしやすさに影響します。
視覚で考えるなら、壁が抜けているのが「抜け」で、壁で囲まれた空間や連続する壁がつくる空間が「たまり」。 室内では高さ以上の幅を持つ壁があれば、そこに視覚的なたまりができます。 上の写真では手前がたまりで、奥が左右に抜けています。 その抜けた右手側から外部の光が差し込んで、広がり感が生まれています。
狭いたまりは窮屈な感じがしますが、少し広げることで、程よい安心感が生まれると感じています。 また、狭いたまりでも窓などの開口部があることで視線が抜けたり、外部の気配を感じられることで窮屈な感じが和らぎます。
開放感が出る、明るいほうがいいからと窓を大きくしすぎると、なんだか落ちつかない空間になってしまうことも。 快適な住まい空間のためには壁に守られる安心感とでも言うのでしょうか、たまりも大切です。
庇や屋根でできる影も視覚的なたまりなので、程よく取り入れて落ち着きのある住まいを計画したいものです。