東京の森山高至さんからお誘いをいただき豊橋商工会議所ビルの リファイニング完成見学会に行ってまいりました。(青木茂先生のお仕事です。 )
「安易なリフームが多すぎる」と青木先生が嘆かれていたことが印象的で、 そのことについて、見学会が終わった後に森山さんと意見交換を行います。
新築が多い私たちの会社でも、リフォームの相談をいただくこともあるのですが、 その度に「私はリフォームが苦手です」とお伝えしています。依頼者の予算で依頼者の望む性能を実現することが、私では力不足と思っていたからです。
「何か方法はあるはず」と思案を重ね、交渉したり尋ねたりしてみるものの、 巷のコストで工事を行う術が私には見つかりません。1千数百万といった大金を投ずる以上、デザインだけでお茶を濁すことは許されるはずもなく、 建物の基本性能の向上も求められることになります。
建物の基本性能は「耐震性」「断熱性」「耐久性」というこになるのですが、 これらを改善しようとすれば工事は大掛かりになり、場合によっては新築と同程度の費用が必要なことも。ところがリフォームのご依頼の多くは「新築の予算まで掛けられない」という事情からですので 何かを端折らないと出来ないわけです。
「他所はどうやってるのだろう・・」と不思議に思っていたのですが、 今日の青木先生の嘆きや森山さんとの意見交換ではっきりと分かりました。キチンとやろうと思えば、掛かるものは掛かるんです。テレビ番組で魔術師になったりする人がいますが、あれは演出。 建築家は手品師ではありませんよ。・・・と。
私がリフォームを受けるにあたって、ポイントとなるのは
「リフォームであっても新築と同じくらいの費用が必要です。既存の家屋にその価値がありますか?」
ということになると思います。
新築同等の費用をかけてまでリフォームする事例としては、以下の3つのケースが考えられます。
1、古民家や古い洋館などの文化的価値のある建物。
2、個人的に思い入れのある建物。(ご両親と過ごした記憶など)
3、法改正によって、建て替えすると不利になる(従前の規模の建築が不可能)
上記に該当しないのなら、長い目で考えると新築したほうが良さそうです。