空きスペースを有効に活用したいと思うのは誰しもが考えることでしょう。 しかし、空間の有効利用もタダで出来るものではないのが悩ましいところ。
その代表的なのものが小屋裏収納。小屋裏にスペースがあるのが分かっていながら私から提案することはありません。
気の利かない設計ね...と思われるかもしれませんが、コスト的な理由から提案を躊躇っているというのが本当のところ。
小屋裏収納を作るには、直接的な経費(床や壁の材料、照明、職人さんの手間代)の他に 以下のコストアップの要因があります。
①断熱の方法と断熱材の種類が変わることによるコストアップ
②垂木寸法の増加、通気用の構造用合板の増加によるコストアップ
③荷重が増えることで梁の寸法が大きくなります。
④地震時の応力が増すので、耐力壁、構造金物、基礎に影響します。
予算超過で設計変更で小屋裏収納を中止した場合、①と②の項目については容易に設計変更できます。
しかし、 ③と④のような構造計算が絡む部分は、構造計算の費用と手間のほうが高くつきますので、この部分の変更は行いません。
はじめから小屋裏がなければ、過剰な部材が残らないものですから 予算が厳しい場合は、必須項目をあきらかにすることが望ましいやりかたと言えます。